伊藤隆太郎、堀越理菜
新型コロナウイルスの感染拡大の中、本格的な帰省シーズンを迎えた7日、福岡市のJR博多駅は大きなスーツケースを持った家族らが行き交った。
JR西日本によると、東京から午前11時半に博多駅に到着したのぞみ5号の自由席は、新大阪駅を出た時点で乗車率が100%に達したが、コロナの影響がなかった2019年と比べると6割程度の混み具合。新大阪発鹿児島中央行きのさくら549号は自由席の乗車率が49%で、19年と比べて3分の1だった。
新幹線で兵庫県から長女(5)を連れて福岡市へ帰省した女性(38)は、博多駅前に設置されたPCR検査場前で立ち止まった。大阪方面からの帰省者に検査を呼びかける看板を見つめ、「福岡のほうが感染者が多くて、覚悟して帰ってきたのに」とやや不満そう。「市内に住む両親が長女と会うのを楽しみにしている。自粛も考えたが、帰るほうが両親の健康にもいいはず」と話した。
「まん延防止等重点措置」への追加が決まった熊本。妻(31)の実家がある熊本市に家族4人で帰省したという福岡市の会社員男性(33)は「少し迷ったが、コロナもあり2年ほど帰れなかったのでもういいかなと思って」。夫婦も実家の両親もワクチンを接種済みで、出かけずに実家で過ごすつもりだという。
静岡県浜松市から帰省した看護師の女性(22)は、抗原検査を受けたことや自分と両親がワクチンを接種したこと、職場の上司から手指消毒やマスクなどの感染対策をすれば帰省してもよいと話があったことから帰省を決めたという。改札で出迎えた母(55)は「最近また感染者が増えたのは気になるが、娘は仕事上気をつけているし大丈夫かなと思います」と話した。(伊藤隆太郎、堀越理菜)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル